ドゥカーレ宮殿 Palazzo Ducale

ヴェネツィア共和国の総督住居 兼 最高司法府として8世紀に建てられた、ヴェネツィア・ゴシック様式の代表建築。その後、増改築が繰り返され現在の姿になったのは15世紀のこと。アドリア海一帯の覇権を手中に収め、ヨーロッパ諸国へ多大な影響を与え続けたヴェネツィアの富と権力を象徴する建物で、歴史上の重要な決定は全てこの宮殿で行なわれた。

内部は総督住居、国会議事堂、裁判所の他、武器庫や監獄、拷問部屋まで備わっており、隠し扉や隠し階段なども見られる。
宮殿内の天井や装飾は木造が中心だが、石造りが基本のヨーロッパでは非常に珍しい。これは地盤沈下の懸念がある弱い地盤の上に建てられている為、少しでも建物の重量を軽減するための工夫であり、木が湿気を吸収することで適度な湿度が保たれるといった効果もある。また、木造による造船技術も建物に生かされている。

外壁は白とピンクの大理石で飾られており、ビザンチンの影響を受けたヴェネツィア・ゴシック特有のアーチが取り囲む。

ドゥカーレ宮殿の観光