ドゥカーレ宮殿の黄金の階段

16世紀にサンソヴィーノとスカルパニーノの設計によって作られた。共和国議員や貴族、外国からの客人など限られた人のみ通ることが許された豪華な階段は、天井一面が漆喰装飾と金箔で埋め尽くされ、部分的にフレスコ画も飾られている。

この階段は、宮殿の正門である布告門を入り、重厚で威圧感ある巨人の階段を上ると黄金の階段が現れる。金色に輝くその豪華な階段を上って重要な部屋へと進むという演出は、まさに総督の権力を見せつけ、いかにヴェネツィア共和国が繁栄を極めているかを強く印象付ける。

ちなみに黄金の階段では小さめのフレスコ画をわずかに見ることが出来るが、ここ以外でフレスコ画は全く見かけない。その理由は、湿気の多いヴェネツィアではフレスコ画は適しておらず、フィレンツェではフレスコ画が発展したのに対して、ヴェネツィアではどこよりも早く油絵の技術が取り入れられて発展していったという事情がある。

ドゥカーレ宮殿の黄金の階段