デジタルカメラの特徴と基本的な使い方 フィルムカメラとの比較
デジタルカメラは、フィルムカメラとは違う特徴を持っています。 下記に、誤解されやすいデジタルカメラの特徴を示しておくので、覚えておきましょう。
- 画素数が高ければ高いほど綺麗な写真が撮れるとは限らない。 1200万画素のコンパクト・デジカメよりも600万画素の一眼レフの方が画質が良い。
- 画素数だけではなく、メモリーカードに記録する圧縮率で画質は大きく左右する。
- 「暗い場所ではフラッシュを使えば良い」は間違いで、必ずしもそうではない。使わない方が綺麗に撮れる事の方が多い。
- フィルムカメラに比べ、デジタルカメラは薄暗い場所でも簡単によく写る。
- 室内では、普通のフラッシュ(オート)で撮るのと、室内モードや夜景モードで撮るのでは驚くほど写り方が違う。
- 夜景モードは、夜景だけではなく、薄暗い室内でもかなり有効。
- 明暗に弱く、極端に明るかったり暗かったりする部分は完全に色がつぶれたり、白く飛んでしまう。
- カメラまかせの「オート」は万能ではない。 最終的には状況によって人の判断が必要で、「オート」は意外と使い勝手が悪い。
- デジタルカメラのバッテリーは機種や使い方にもよるが、一日中観光で写真を撮り歩くなら、もって3日間。 必ず充電器を持参すること。
- 手ブレ防止機能にも限度がある。 シャッタースピードが極端に遅い状況(夜景モードなど)では効果が薄い。
- 携帯電話のカメラの画質は問題外。どんなに画素数が高くても、コンパクト・デジカメにはかなわない。
バックの風景は綺麗に写っているのに人が真っ暗 ・・・
この現象は本当に初歩的なミスなのですが、多くの人がやってしまう失敗例です。 でも、ちょっとした機能を使うだけで簡単に解決出来ます。 その前に、どうしてこのような現象になるのかを説明した方が、よりわかりやすいと思うので、そこから始めます。
理由は簡単! 風景は明るいが人には光が当たっていない、つまり、人の顔よりも風景の方がずっと明るいため。 カメラは明るい風景に明るさを合わせてしまうため、風景は撮れても人が真っ暗なんです。
光が当たらない場所が暗く写るのは当たり前の話しです。 だからといって、薄暗い人に光を合わせてしまうと、風景が明るすぎて白く飛んでしまいます。
では、どのように解決すればいいか? これも簡単。 フラッシュを使って人に光を当てればいいのです。
しかし、全てをカメラまかせにする「オート」で撮ると、カメラは風景の明るさを探知してフラッシュは必要ないと判断してしまいます。 そのため、自分でその状況を判断してフラッシュを「強制発光」してください。
もう少し細かく言うと、日中フラッシュの光はせいぜい2〜3メートルしか届きませんので、カメラと人の間がそれ以上空いてしまうと光が届かないため、やはり人は暗くなってしまいます。
また、帽子をかぶっている場合は、顔に影が出来てしまうので、脱帽して撮影をすると失敗が無い。
- バックの風景はほど良い明るさで綺麗だが、人物は暗い。 景色は日光に照らされているのに対して人物は日陰にいるため、日光が当たらない部分は暗く写る。
- この状況では、カメラはどうしても 「明るい場所」 だと判断してしまうため、撮影する人が状況判断をする必要がある。
- こんな簡単な理由にもかかわらず、多くの人がこの事に気が付いていない。 もう少し 『 光 』 について意識してみよう。
- ちなみに逆光時の人物撮影もフラッシュの使用で、人が真っ暗になるのを防げます。
薄暗い建物内、柔らかな照明のお部屋で撮るテクニックとコツ
例えば、教会やモスクの中など薄暗くて広い場所でオートのまま写真を撮ると、普通フラッシュが自動で発光しますが、写真は真っ暗に写ってしまうはずです。 何故ならフラッシュが届くのはせいぜい数メートル。奥行きのある広い建物内を小さなフラッシュが一つで照らせるわけがないのは当たり前です。 こんな時は、フラッシュを強制でOFFにして撮ってみてください。暗さに合わせてシャッタースピードが自動的に遅くなるため、これだけでかなり綺麗に撮れるはずです。
注意点は、暗ければ暗いほどシャッタースピードが遅くなるので、なるべくどこかにカメラを固定して撮る事で、手ブレを防ぎましょう。
固定できる場所であればどこでもよく、例えば教会の中であれば長椅子の背もたれの上だったり、カメラの側面を柱にくっつけるだけでもある程度の手ブレは防げます。外であればゴミ箱だったり停まっているバイクや車、ベンチなど固定出来ればどこでもいいわけです。
人の手でカメラを構えるのでは、両脇を固めるなどしても必ず微妙なブレが生じてしまい、シャッタースピードが極端に遅い場合はカメラの手ブレ防止機能を使ったとしても限界があります。ブレが無い美しい写真を手軽に撮るためには、とにかくカメラを固定する事です。

コンパクトカメラであればこのようなミニ三脚がおすすめ。
縦16cm 重さ120g。 ポケットに入るサイズで軽いので、持ち歩きに便利。 日中の観光はもちろん、夜景も綺麗に撮れる。

薄暗い場所で撮る場合は、このように「どこかに置く」が基本。
写真のようにカメラの下に何かを挟めば角度もある程度調整可能。
シャッターはセルフタイマーを使うこと。
さらに効果的なのは、夜景モードを使うこと。 ノイズを抑え、見たままの自然な明るさと色で撮れます。少し明るく写りすぎる場合は「露出補正」でマイナスに調整します。 ただし、「夜景モード」を使う場合は三脚の使用、又は、平らな場所にカメラを置く事が絶対条件です。この場合、シャッターを押す時にカメラが微妙に揺れるため、極力「セルフタイマー」を使いましょう。
柔らかな照明のお部屋で撮る場合のコツ
この状況に該当するのは、例えば夜の雰囲気の良いレストランやバー、ホテル内、薄暗くなった夕方の街中などを撮る場合です(人とではなく景色のみ)。 上記にもだいぶ共通するので、同様の方法で撮ってください。
オートで普通にフラッシュを使って撮ってしまうと、お部屋を照らしているオレンジがかった柔らかい自然な光が消えてしまい、フラッシュの白くて硬い光で写ってしまうため、写真全体が見た目とは大きく異なる不自然な明るさと色の写真になってしまいます。
上記と若干異なるのが、人を入れて撮影する場合。こんな時は「人と夜景を一緒に撮るモード」で撮ってください。 このモードを使えば人もバックも見たままに近い色と明るさでとることができます。
このモードを使うときの注意点は、シャッタースピードが若干遅くなるため、撮る人も撮られる人も数秒間は動かないようにしなければいけません。たとえ手ブレ防止機能が付いていても、撮られる人が動いてしまっては手ブレ防止機能の意味が無くなってしまいます。
- 薄暗く、柔らかな照明の室内。
この写真は、コンパクト・デジカメの夜景モードで撮ったもの。 - コンパクト・デジカメでも「モード」を使い分けるだけで、これだけ綺麗に撮れる。 ポケット三脚を使い、シャッターはセルフタイマーを使うのがポイント。絶対にフラッシュは使用しない。
- 「夜景モード」 を上手に使いこなせば、撮影の幅が広がる。
ガラス越しに写真を撮る方法
例えば、バスや列車の車内から撮る場合、窓ガラスの外の景色を撮る場合の撮り方です。
観光バスの車内でお客さんが窓越しの風景を撮っている場面をよく見かけますが、多くの方が間違った撮り方をしているように思います。 そこで、ガラス越しの写真の撮り方をアドバイスします。
- レンズは出来るだけガラスにくっつけて撮るようにしましょう。 そうしないと、ガラスに反射している関係の無い景色が一緒に写ってしまいます。 それでもまだ反射したものが写ってしまう場合は、レンズの周りを手や紙などで隠して反射を遮るなどすると、だいぶ反射を防げます。
- 絶対にフラッシュは使わないこと。 当たり前ですがガラスに強烈な光が反射しますから、白く光った写真になってしまいます。 オートで車内などから撮る場合、自動的にフラッシュが光ることが多いため、強制でフラッシュをOFFにして下さい。
その他、ガラス越しの写真撮影でガラスの反射を遮る奥の手があります。 一眼レフカメラで有効な技ですが、ラバーフードを装着することで、ガラスの映りこみを遮ることができます。ガラス越しの夜景撮影には非常に有効な方法です。
夜景の撮り方、撮影方法
これまでにも説明をしてきた「夜景モード」を使います。
間違えないようにしたいのは、「夜景と人を撮るモード」ではなく、「夜景だけを撮るモード」にするということ。 2つのモードの違いは、前者が人に光を当てるためのフラッシュが光るのに対して、後者は夜景が冴えるように余計な光を入れないため、フラッシュは光りません。
夜景モードは極端にシャッタースピードが遅くなり、数秒間もシャッターを開きっぱなしにするため、必ず三脚を使うか、カメラをどこかに置くことが重要。 手ブレ補正にも限界があり、手持ちでは不可能です。
また、シャッターを押す時にカメラが微妙に揺れるため、「セルフタイマー」を使ってください。これだけで綺麗な夜景がクッキリと撮ることができます。
- この写真もコンパクト・デジカメの夜景モードで撮ったもの。
- 一眼レフのような高機能カメラでなくても、デジカメの機能を使いこなせば、特別なテクニックが無くても十分に夜景撮影ができる。
- コツは、露出補正を+−0で1枚、+1〜2で1枚、−1で1枚といった具合で、露出を変えて数枚撮っておくこと。 写真はパソコンで確認し、一番良いものを選ぶ。 何度か撮っているうちに、どのくらいの明るさだと露出補正をどうすれば良いかがわかってくる。
三脚を使おう! とても便利な三脚の使い方
どれくらいの人が三脚を使っているのだろうか? 筆者が知る限り、海外旅行先で三脚を使っている人は非常に少ないですが、この三脚こそ是非旅行先で使ってもらいたいカメラ用品No.1のアイテムです。
「大きくて重くて、取り扱いが面倒」、こう思っている人いませんか? そんなことはありません!
ポケットサイズの三脚(ミニスタンド)でも驚くほどの効果があります。 是非使ってみてください。すぐに慣れます。 一度使ってその効果を知れば、もう手放せなくなります。
では、三脚をどこで使うか? これまでに様々な場面での写真の撮り方をご紹介してきましたが、基本的に「薄暗い場所や暗い場所」 「日中であっても自分たちの写真を撮ってくれる人がいない場合」です。 具体的には夜景はもちろん、ホテルや室内、レストランの中で撮る事が多いと思います。 ただ、こういった建物内で写真を撮る場合は雰囲気もありますから、大きな三脚を使うのはマナー違反。 そこで活躍するのがポケットサイズの三脚+コンパクトカメラ。 ポケットやポーチにも入るのでとても便利。
三脚を立てる場所は地面や床だけとは限らない。 左記のように壁や柱でも使え、この使い方に慣れれば、ポケット三脚の利用範囲は随分と広がり、撮影の幅が広がるとっておきの方法。
携帯電話のカメラ性能 コンパクト・デジカメと比較
最近の携帯電話にはデジカメ搭載が普通になり、年々画素数競争が激化しています。 そこで一つの疑問が。
こう思われる方も当然いらっしゃるでしょう。
結論から言ってしまうと、携帯電話のカメラ性能は、どんなに技術が進歩しようとも、コンパクト・デジカメの画質にはかなわない。 と言うよりも、足元にも及ばないと言っても言い過ぎではありません。
テレビや雑誌などの広告メディアでは “画素数が高いから綺麗” と、高画素数であることを全面に出してPR合戦が行われているため、「高画素数=高画質」と思い込んでいる方が非常に多いですが、それは間違いです。 写真の画質は画素数だけで決まらないのです。
- CCDやCMOSセンサーの性能(大きさ)
- 画像処理エンジンの性能
- レンズの性能(大きさ)
- 画素数と圧縮率
携帯電話のカメラは上記4項目全てにおいて、構造上コンパクト・デジカメの性能を超えることが出来ません。 特に、おもちゃのような小さなレンズとCMOSセンサーが与える画質への悪影響は致命的で、いくら画素数を高くしたところで意味がありません。 皆さん、メディアに踊らされませんように。。。
旅行の大切な思い出くらいは、携帯電話ではなく、『カメラ』で撮影することをおすすめします。